私はドル円のトレードを開始してから何回かナンピンを含めた手法にチャレンジしてきました。
そしてナンピンを入れながらトレードをすると確かに勝率が上がります。
レンジが7割以上とも言われるドル円ですから、ナンピンを入れるだけで助かるトレードが増えてくるのは当然と言えば当然です。
検証していると、禁じ手と言われるマーチンさえもかなり有効に機能しそうに思えるほどドル円は狭い範囲をゆっくりと上下に揺れながら動く特徴がありナンピンがはまりやすい通貨なのです。
ナンピンについては過去にも記事を書いてきたのでこちらもご覧ください。
私は過去に何度もナンピンで痛い目にあってきた経験があります。
そして、その経験から大負けしないナンピン不要の手法に取り組んできました。
その結果、大勝も無いものの大負けも無くなりトータルでの成績が改善してきました。
今回はドル円という通貨に限ってはナンピンが割と難しい理由についてまとめておきたいと思います。
目次
こうしてみるとドル円でのナンピンは有効に思えます。私もドル円を攻略するにはナンピンが鍵かもしれないと感じていた時期があります。
いや、時期があるというのは間違いです。
あまりにも勝てないので勝率アップを求め『ナンピンを組み込んだ手法にしよう!』などと迷いはじめ、毎回勝率は上がるものの、最後に痛い目にあい、『ナンピンはやはり止めよう…』と元に戻るというサイクルにはまってしまっていたというのが正解です。
しかも、このどうしようもないサイクルは恐ろしい事に定期的に訪れます。
ですからナンピンの誘惑はそれほど強烈であるという事になります。
なんせ勝率が劇的に上がるわけですから。
ドル円でナンピンをして大きく負ける時の特徴は、大きく分けて2つの特徴があります。
これはあくまで私個人の見解ではありますが、ドル円だけを何年も見続けたので、少しは参考になる部分もあるかと思います。
では、ここから二つの特徴についてまとめてみたいと思います。
ドル円でナンピンをして負ける時のまず一つ目の特徴は、ナンピンをする場所が明確に見えずにナンピンしてしまった時です。
具体的に申しますと、エントリー後にチャートを監視している時に、このチャートパターンは知ってる!と計画性も無く感覚でナンピン弾を打ってしまったようなケースです。
また、ドル円はいざトレンドに入ったとしても動きが遅いケースが大半で、30分から時には1時間かけてやっと5pips程度動くなんてケースもよくあります。
このような、だらだらと上昇、もしくは下降していく時は時間もかかる為、速く楽になりたい…という気持ちから、自分が想定していないような場所でナンピンポジションを持ってしまう事も多々あります。
上の図で言えば、まだまだナンピンを打つのは速すぎる場面。
しかし、あまりに時間がかかるため少しずつストレスが蓄積していきます。
そして、この辺で戻しそう…なんて理由をあれこれ探し始め…
『ポチ!もう一個ポチ!』
後でチャートを見るとですね、『なぜこんな幅でナンピン入れてしまったのか…』と反省する訳です。
そして、このナンピンポジションが更に自分を苦しめていくことに後々なっていきます。
リアルタイムで短期のロウソク足なんかを見ていると、明らかに『まだ!』という場所で思わずポジションを取ってしまう事が本当に良くあります。
こうしてみると、FX主要通貨の中でも特にボラが小さなドル円でのナンピンは、時間的な問題からもナンピンの難易度が高い通貨であると言えるかもしれません。
含み損が長時間続き、じわじわ損失が膨らむ。
これは精神的にもよろしくありません。
続いて、もう一つの特徴は、だらだらとしたトレンドが一方向に長時間継続した時です。
これはドル円の代表的な特徴とも言えますが、ドル円は一月に2回程度、だらだらとトレンドがかなりの期間継続する時があります。
よくあるケースとしては東京、ロンドンとトレンドが継続するような日です。
さすがに、『ここまで来ると一度は戻るだろう…』と思ったタイミングでナンピンを入れても、全く戻さない、もしくは少し戻しはしますが平均単価にほど遠い場所でトレンド復帰する。そんなケースです。
上手はだらだらと上昇が続き、ようやく一時間足レベルの水平線(レジスタンスライン)に到達し、予定通りのナンピンを追加した場面。
実はこれは先ほどの続きでこの時既に一発ナンピン入っているのですが、チャートを見ても解る通り反発しそうでなかなか反発しない状況です。
上位足レジスタンスもなんのその。一応小さなレンジで揉みあっているように見えなくもありませんが、結局はだらだらと上昇が続いております。
冷静に見ればレジサポ転換までしており損切りを確定させるべき場面ですが、ここまで来ちゃうとそれが出来ない…(T0T)
安易にナンピンをした末路はこのようなものです。
ドル円の場合は、日にもよりますが、基本ゆっくりと動くためそもそも時間がかかります。
しかし、結果的には一方的に100pips(1円)動いてたというケースもあるため、こんな時にナンピンしていたら結構な額を持っていかれてしまいます。
こんな場面で実際にポジションを持っている時は一日中一度たりともプラ転しない為、メンタルも結構きつくおかしなナンピンが増えてしまうのがナンピンで大きく負けてしまう時のパターンです。
私の場合はたった一回のナンピンの失敗トレードでその月のプラスを根こそぎ失い大きくマイナスに転落するような経験を何度もしてきました。
こうした経験を元にドル円通貨のナンピンを考えると、技術的にもメンタル的にも『ドル円のナンピンは難易度が高い』と私は考えるようになりました。
ここまでドル円のナンピンについて個人的な見解を述べてきました。
その根拠は前述した通りですが、トレード記録から見ても私はナンピンの負けがなければ、トータル的にここまで大きな負けをくらっていなかったという事も、このような見解に至った理由のひとつにあります。
私の場合はナンピンという概念を一切無くしてから、月間トータルでの大負けが減少し、やがてトントンの月も増え、逆に細かく損切りを行えば行うほど、プラスで終われる月が増えてきました。
結局結果だけ見ると、ナンピンを完全に断ち切った事で少しずつ勝てるようになってしまったという訳です。
私の場合、ナンピンを断ち切ってから少しずつ良い結果が残せるようになったのは事実です。
しかし、ナンピンは上手に活用できる場合、おそらくではありますが『最強の武器になる』と今でも思っております。
ただ、ナンピンは本当に難しい技術です。
特にボラの小さなドル円では、メンタル的にもナンピンを入れるタイミングが難しい。
もしドル円でナンピンを取り入れるのであればリスクリワードを考慮して事前に設定した場所で分割エントリーするなら可能性があるように思います。
例えばフィボナッチ38.2と61.8で2分割エントリーといった感じでしょうか。
但し、本当に取り入れるのであれば、どんなに時間がかかっても、決してそのラインに達するまでナンピンは入れない!とルールを決め、そのルールを完遂出来るぐらいのトレーダーにならなければいけません。
言葉にすると簡単ではありますが、実際にポジションを持つと、これは本当に難しい課題です。
初心者の方はそんな難しい課題に真っ向勝負するよりも、リスクリワードが有利な場面でのみエントリーする!こんなシンプルなルールで手法作りに取り組んだ方が、収支は安定しやすくなると思います。
私が以前まとめたリスクリワードレシオ一覧表・勝率ごとの損益分岐点を見てもらえると解りますが、かなり我慢が必要ですがリスクリワード1対2のトレードが出来るようになると勝率は3割強で済むので明らかに負けにくくなります。
私はいつまでたっても勝率3割台と悲しい状況ですが、それでも少しだけ負けにくくなってきておりますので参考にはなるかと思います。
また、表にもまとめておりますが『リスクリワード1.5で勝率5割、計100回トレードした場合』の数値についてはエントリーポイントを絞る必要がありますが割と現実的に狙う事が可能な数値です。
いずれにしてもまずは大負けしない状態を継続。そしてある程度経験を積んだらナンピンを含めた手法にチャレンジ。
このような順番でナンピン手法を身に着けていくのが一番無理の無い形であるように思います。