私がゴールドの相場の監視をスタートしたのは2020年に入ってからの事です。私は株式や先物は一切やらないのですが、ゴールドはドル円との相関性を確認できる通貨として知られている何となく眺めていた程度というのが実情です。
しかし、最初は何となく眺めていたゴールドですが、ドル円の数倍、いや数十倍の値動きを見せるゴールドの相場に少しずつ興味を持つようになったのは自然の流れかもしれません。
ゴールドはロンドン時間、ニューヨーク時間になると相場が一気に活性化され、注目を集めるラインへの試しやブレイクをきっかけにボラが東京時間の2倍から4倍程度にまで膨れ上がり、その膨れ上がったボラのままチャートが構築されていきます。
また、重要な指標なども無く、一般的な1時足程度のレンジブレイクであっても1分間で100pips以上動くケースも珍しくありません。
この激しいボラティリティーを見ていると、ゴールドにはそれだけ多くのチャンスがあるとも見て取れますが、逆に言えば一瞬で口座を飛ばしかねない恐ろしい市場であることが解ります。
尚、ドル円チャートとゴールドチャートを比較して見ていると、時間帯によっては綺麗に逆相関の相関性を見せることが多々あります。
今回はドル円との相関関係が見られるゴールドの特徴や考えられるトレードプランなどについてまとめておきたいと思います。
ありきたりの考えではありますが、相関もしくは逆相関の相関性が見られるような時間帯にドル円が節目のラインを迎える場面。
この場面ではブレイクか逆張りの選択をすることになるかと思いますが、ここで短期のローソク足を見て反発しそうなタイミングで、ゴールドでトレードしてみたら大きなpipsを取れるのでは?と考える方は結構いらっしゃるのではなでしょうか?
実際に私はチャートを眺めながら、ここでゴールドで入っていれば一気に僅か1~2分で20pipsは取れていたのに。という場面を何度も目にしてきました。
そこで同様の場面で検証を積み重ねてみた訳ですが、ここで大きな問題にぶつかることになります。
まず一つ目はスプレッドの問題。これはもう結構大きな問題で、日中のボラの無い時間帯などではスプレッドが2pips後半~4pips程度の大きさになっているケースが大半です。
私が現在保有している証券会社の口座のスプレッドが最も厳しいのは海外FX口座のXM。
ここは概ね3pips~4pips後半のスプレッドがかかるのでドル円で言えば既に損切幅に達している状況からのスタートになる訳です。
そして、ゴールドのトレードの為に新たに開設したGEMのゼロ口座も揺れ幅が大きく一瞬良い数値を見せる事もありますが、大体はスプレッドが広く2.5pips~3pips後半程度のスプレッド。
同様に開設したトレードビューとアキシオリーは1.5~2pipsとスプレッド低めですが別途売り買い往復分の手数料が発生します。
いずれにしてもドル円のように4pipsで損切りなんて事をしていると、9割以上は負けてしまいます。
その為、損切幅をかなり広めにとらなくては成り立たない事になります。
結局、大きく取れそうな半面大きく負ける可能性も高く、リスクリワード管理が難しいという事になります。
私はひたすらドル円のチャートばかり見て来たので、ドル円通貨のくせ、と言いますか、ドル円独特のプライスアクションが何となくですが解るようになってきております。
そして、ドル円とゴールドの相場は確かに、相関、逆相関の動きをするケースがあることも何度も確認してきました。
中でもドル円とゴールドは多くの場面で逆相関するようなチャートの値動きを見せる日が多くあるように感じます。
具体的には、例えばドル円のチャートが下げ相場で重要な日足レベルの水平線サポートライン目前に達している状況である場合。ここでブレイク出来ずに強い反発を見せた場合、ゴールドでは上昇中の上げ相場でドル円の反発に合わせて一気に下落するという感じです。
また不思議なことに強い逆相関を見せる場合は、重要な節目のラインに到達するペースが異なる場合、『どこかで上手に調整するような動き』が生まれたりします。
それほどまでに相関性が働く日は値動きがリンクして動いているのです。
但し、相関、逆相関の関係は時間帯によって突然変化したり、全く持って相関性が無い日が数日続く事もあります。
ですからオシレーター等と同様に値動きの判断材料のひとつとして捉えておく必要がある事は言うまでもありません。
2021年3月より実際にゴールドのトレードを実戦してみた結果、ゴールド独特の問題が結構ある事が見えてきました。
まず最大の問題点は信じられないレベルのスリップです。
逆指値注文で決済を行う場合はスリップが特に顕著に現れ利確も損切りも大きく滑る事が多くあります。
国内口座では有利な方向へスリップする事は絶対にありませんが、海外口座は有利な方向へスリップする事もあり一概に問題点とは言い難いのですが、例えばロスカット10pipsに設定していて、実際のロスカットは20pips以上となると、根本的にトレード計画が立て辛くなります。
これはゴールドのトレードを実戦して解ってきた事ですがスリップの問題は検証データ通りの結果が得られにくいという点からも『かなり深刻な問題』であるように思います。
ゴールドを取引する上で現状考えられる対策は2点あります。
まず一つ目は、ポジション保有時間を短くすること。
瞬間的に大きく動いてかられるようなケースを極力減らすためにも、ポジション保有時間を短くして速めの利確と損切りを繰り返すイメージです。
但し、この場合はゴールドの広いスプレッドと手数料がネックになります。
難易度も相当高くスキャルピングの高度な技術が要求されるかと思います。
尚、もうひとつの対策は、損切幅を広く設定してデイトレレベルでトレードを行うという対策です。
瞬間的な値動きの揺れでロスカットされないレベルの損切幅を設けて、利確も大きめに設定。
イメージとしてはリスクリワード1対0.5くらいで勝率重視といったイメージです。
但し、勝率重視の手法で勝てた経験がほとんどありませんので、現実的に実戦できる対策は前者になるかと思います。
私はドル円もゴールドも同じ手法でトレードをしております。
しかし、ボラが圧倒的に高いゴールドをトレードする場合は、独自のスキルが必要になるのかもしれません。
1トレードで20pips近く取れるケースも多々あるので、ある程度伸ばしたいとの思いはありますが、早め早めに決済してみるなど、何かひとつしっくりくる手法を見出したいと思います。