トレーダーにとって検証作業は必要不可欠なルーティンであると私は思います。
今、私はトレーディングビューのリプレイ機能を使い毎日1時間~2時間程度検証作業を繰り返すようにしております。
そして検証では月間の損益がプラスになるのに実践すると月間損益がマイナスになるという現象を何度も何度も繰り返しております。
検証ではプラスになるのに実践ではとことん負け続ける永遠の負のスパイラル。
FXを取り組んでおられる方には、私のように検証と実践のギャップにつまづき、前に進めないでいる方も多いのではないでしょうか。
実際私の場合はトレード記録を見直すと何度も何度も同じ過ちを犯している事が判明してきました。
そして、その過ちを把握していながらも、また同じ場面で同じような行動を今後も永遠に繰り返し続けていくであろう事も薄々感じはじめてきております。
そこで今回は、この検証と実践のギャップが生じる原因を突き詰め、二度と同じ場所で躓かないように根本から対策を講じていきたいと思います。
目次
私個人的な見解となりますが、検証時と実践時で何が違うのかを過去のトレード記録から3つのパターンに分類してみました。
この負け組である私の3つの行動パターンを徹底的に潰していくことで何か活路が見いだせるかもしれません。
まず一つ目の行動パターンとして考えられるのが、このエントリー場面でエントリーしないという問題です。
検証中では何の躊躇もなくエントリーするような場面であっても、いざ実践中となるとエントリーをためらうケースがかなり多くあります。
そして、タイミングを逃しそのまま自分が想定していた方向へチャートが進んでいってしまう…
以前は、タイミングを逃したにも関わらず想定エントリーポイントよりも不利なレートになってから、『慌てて追っかけエントリーしたあげく逆行に合い損切連発』という事を繰り返していました。
しかし、現在は多少経験を積んだため、追っかけはしなくなったので、エントリー場面でエントリーをしないという事は単純に機会損失になっているという事になります。
このエントリー場面でエントリーが出来ない最大の原因はいったい何なのでしょうか?
この答えは恐らくただひとつ。
検証が足りていないだけ。
他にも様々な原因が考えられますが、自分のロジックに当てはまるエントリー場面に来てもエントリーが出来ないという事は、そのロジック自体を信用しきれていないという事に他なりません。
そして、そのロジックを信用しきれない原因はその後の値動きの予測ができないためであると思います。
予測が出来ない=わからない
当たり前の事ではありますが解らないものに大切な資金を投入するなんて出来るはずがないのです。
ですから、予測が出来ない、経験が乏しいトレーダーがエントリーをためらうのは当然の防衛反応。
結局のところ、エントリー後のチャートが利確になろうと損切になろうと自分の頭の中で、値動きの想定が出来るまで繰り返し検証をこなしていくしか方法は無いかと思います。
また、もう一つの対策方法としてはエントリーのセットアップが完了したら機械的にエントリーを実行するという対策方法も有効かと思います。
具体的には『指値・逆指値』を使い自動的にエントリーを実行する方法です。
最も理想的な方法としてはエントリー時点で利確設定と損切設定まで完了するIFOCO注文がベストです。
しかし、このIFOCO注文は3pips以上の間隔が無くてはエントリーできないため、スキャルピングの場合は、対応可能な手法であるかどうかがポイントになります。
その為、機械的にエントリーする事を重視し、IFOCOが使える手法を構築する事に集中するというのも有効かと思います。
①エントリー場面でエントリーするための対策
A⇒エントリー後の動きが解るまで検証をこなす
B⇒IFOCO注文で対応する
続いて2つ目の行動パターンとしてあげるのは、自己都合による利確や損切の実践です。
チャートは生き物と呼ばれるように予測不能な値動きを日々繰り返しております。
その為、エントリー時点では良いエントリーに見えたとしても数分たつとチャートはまるで違うチャート形状となり、何となく利確や損切をしてしまう事は本当によくあります。
この、行動パターンの最大の問題点は結果的にその自己都合による対応のお陰で利益が確保されたり、損切が小さく済むケースが多々ある点です。
このように自分が行った裁量判断が有利に働きかけた時は『ほっ』としますが、この再現性の無い行動の繰り返しは、結果的に私を含む負け組の典型的な行動パターンであると言えるかと思います。
そこで、この自己都合による裁量判断を止めるために考えられる対策として、裁量判断を行う場所を限定するという方法を考えました。
具体的には、例えば私の場合はスキャルピングでエントリー後、いきなり深く逆行し損切ライン寸前までいったが建値近くまで戻る。そして、この建値近くのマイナス1pipsあたりで1分足のロウソク足の動きが止まった瞬間に損切決済をする。という感じです。
後少しで建値に戻るという誘惑を完全に断ち切り負けを確定させてしまい次のエントリーチャンスに備えるという感覚です。
ここまで具体的に裁量判断を行う場面と行う場所を限定しておけば再現性もありますし、思い付きの行動とは切り離して考えることができます。
また、もうひとつの対策としては、多くのトレーダーが実践している
『エントリー後はチャートを一切見ない。』
という、鉄板とも言える対策方法です。
このチャートを見ない!という方法はあまりにも有名かつシンプルでありますが、私個人的にはおそらく『史上最強の対策方法』であると確信しております。
私が初めて10pips以上の大きな勝ちを掴めるようになった時のきっかけが、たまたま寝落ちしてしまい20pipsを超える利益がのっていた時の経験でした。
いつも通りチャートをガン見していたとしたら、200%ここまで利益を引っ張る事はできていなかったと断言できます。
しかし、この史上最強の鉄板中の鉄板とも呼べる対策方法を理解しているにも関わらず、私はそれでも自分の負け組思考パターンの呪縛から、少しチャートをのぞき見した瞬間に思わず『ポチ』っとしてしまう事を何度も繰り返してしまいました。
この問題に対しては最後の対策方法として考えてみようと思います。
②自己都合で利確or損切をしないための対策
A⇒裁量判断を行う場面と行う場所を限定する
B⇒チャートを一切見ない
さて、最後となりましたが負け組の行動パターンの3つ目は含み益が減少している途中で利確してしまうという行動パターンです。
これは、結果的に利確でトレードを終えている訳ですから決して悪い事ではありません。
しかし、この行動パターンの問題点は、自分が利確すると決めたラインまでホールド出来ないためリスクリワードが悪化するという悪循環を生み出す点です。
リスクリワードに関しては以前の記事でかなり踏み込んで検証をしておりますので、一度ご覧になられてみてください。リスクリワード一覧表だけでも様々なチャンスやFXの可能性、そしてリスクリワードを意識した検証を続ける事でFXの難易度の高さや危険性が見えてくるかと思います。
話は戻りますが、リスクリワードが悪化するトレードで特に良くあるケースとしては、
利確想定ライン少し手前で揉みあい⇒あと一歩の所から大きく逆行
この動きを見た瞬間に反射的にポチっと決済というケースです。
もうこれは何年やろうがこの瞬間が訪れるとおそらくポチっといってしまう…
そして、数分後…自分が想定していた利確ポイントにチャートはあっけなく到達。それでも、愚かな私は僅かでも利益を確保できたため安堵しております。
投資の世界ではかの有名なプロスペクト理論という理論があります。
プロスペクト理論の詳細はWikipediaにお任せするとして、私がとってしまう行動はまさしく目の前にある利益が損なわるリスクの回避を優先しているという事になります。
これは人間の本能に近いものらしいので、『チャートを見ない!』とどんなに硬く心に決めても、僅かでもチャートが見えてしまったら、もうアウト。
今後も私は永遠に同じ事を繰り返していく事が容易に解ります。
ですから、やはり、このプロスペクト理論に対しても対策を講じなくてはいけません。
この対策として私が有効と思えるものは、分割で利確を行うという方法です。
投資の世界ではよく聞く半分決済という方法ですね。
ありきたりではありますが、人間の根本的な行動パターンとも言えるプロスペクト理論にあらがうのは賢い判断とは思えません。
その為、半分決済を強制的に行う事で、目の前の利益を確保したいという本能的欲求を満たしてあげるという理論に沿った方法を実践するのが最も有効かと個人的には思います。
FXではトレンドフォローという大原則がありますが、その流れに沿って行動する事が一番理に適っていると思うのです。
③含み益が減少している途中で利確しない為の対策
A⇒半分決済で一部利益を確保
今回まとめた負け組3大思考とはまさしく私の思考の事です。
私もここでこれをしたらアウト!と解ってはいるのです。
解っているのにやってしまう=本当は解っていない
これが真実でしょう。
しかしお金の増減がかかっているFXでは、この正常な判断を信念や気合いで保つ事はほぼ不可能。
初心者の方は数年たつとおそらく経験すると思いますが本当に同じミスを何度も繰り返しているのが実際の所です。
ですから少なくとも『正常な判断へ導く仕掛けのような仕組み』を構築し、可能な限りありとあらゆる対策を講じていく必要があるのです。
長くなりましたが、今回こうして原因を突き詰め、冷静な状況下で対策を考えることができた点は自分でも大きな財産となりそうな予感がします。
文章としてまとめることは大変ですが、頭の中が少し整理されたような気がします。
今のところ大きく負け越してはいますが、今までの経験を無駄にせずに相場に真摯に向き合い、一歩ずつ前進していきたいと思います。